あらすじ
悪魔崇拝する女が魔女となり、呪いをかけて対象者を殺すための条件を満たそうとする。
透視能力者のロレインと、その夫エドが呪いを断ち切るための行動を開始する。
登場人物
・ロレイン(透視能力者)
・エド(ロレインの夫)
・アーニー(悪魔に取り憑かれた青年)
感想
1974年度版の映画「エクソシスト」の評判が良かったため、タイトルの「悪魔のせいなら」につられて視聴した作品。
約2時間の長めな作品だったが、内容が分かりやすく、かつ緻密であったため、あっという間に見終えることができた。
全体として、人間社会の陰険で性悪が行う際限のないイジメを連想させるため、共感する部分が多かったと思う。
そういう人間は、周囲がドン引きするのもなんのその、モラルに反する信じられないことを面白がって、平気な顔でドンドン仕掛けてくるのである。
また、ある神父が悪魔崇拝をした教団の信徒を救うために、教団の教義を必死に調べているうちに自身の娘が、その悪魔崇拝にどっぷり浸かってしまい、魔女となったところにも、感じるものがあった。
日本でも宗教問題が根強くあるが、問題があるのは運営側であって、信徒は純粋に困っている場合が多いように思えるからだ。
そして、悪霊に身体を一時的に乗っ取られて、アーニーが職場の雇い主を殺害したとき、「裁判では誰も悪魔の存在なんか信じない、アーニーは死刑になる」と言った担当弁護士の発言も全くその通りだと思った。
私にも経験があるが、社会人として生活しているとたくさんのことがある。
中には経験した自分にとっては真実であっても、他人から見ると証拠がなければ到底信じることができないことだってあり、「悪魔の存在」はそれに該当するからだ。
それから、人に呪いをかけた魔女は、それに失敗(対象者を死に追いやることができなかった)した場合、魔女自身が呪いの報いを受けるという掟が課せられているため、一度呪った者を何が何でも殺そうとする。
こういった所にも、人間社会でも見受けられる「イジメ」や「ハラスメント」による自殺者を連想させて、色々と考えさせられる。
分かりにくい部分もあったが、物語を納得させる上で、一つ一つがとても丁寧に描かれていて良い作品だと思った。